特集 類天疱瘡とその周辺
臨床例
Bazex症候群様の皮膚症状を呈し、経過中に水疱性類天疱瘡を発症した症例
藤川 一穂
1
,
松浦 大輔
,
中川 千夏
,
伊藤 恵子
,
照井 正
,
落合 豊子
1日本大学医学部附属病院 皮膚科
キーワード:
Etretinate
,
Prednisolone
,
乾癬
,
掌蹠角皮症
,
鑑別診断
,
生検
,
多剤併用療法
,
経口投与
,
皮膚症状
,
類天疱瘡-水疱性
,
紅斑角皮症-変動性
,
Bazex症候群
Keyword:
Administration, Oral
,
Biopsy
,
Diagnosis, Differential
,
Etretinate
,
Drug Therapy, Combination
,
Keratoderma, Palmoplantar
,
Psoriasis
,
Prednisolone
,
Pemphigoid, Bullous
,
Skin Manifestations
,
Erythrokeratodermia Variabilis
,
Bazex-Dupre-Christol Syndrome
pp.991-994
発行日 2016年10月1日
Published Date 2016/10/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2017007214
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<症例のポイント>52歳、女性。初診時、脱毛、耳介や鼻部を含む全身の角化性紅斑、赤い平らな舌、掌蹠の角化、爪甲肥厚、爪囲の腫脹と紅斑がみられ、皮膚症状からBazex症候群を疑ったが、内臓悪性腫瘍は見い出せなかった。経過中に緊満性水疱が多発し、水疱性類天疱瘡を併発した。治療はエトレチナートとプレドニゾロン(PSL)の内服併用療法が奏効し、爪甲、毛髪を含む皮膚症状は軽快した。Bazex症候群の特徴的な皮膚症状をみたとき、まず内臓悪性腫瘍の検索を行うべきであるが、水疱が出現したときは、血中抗体価の測定を行って水疱性類天疱瘡(BP)の併発にも注意して経過をみることが肝要である。
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