特集 播種状の皮膚病
臨床例
高熱と大型の水疱形成がみられた急性痘瘡状苔癬状粃糠疹
宇津宮 まりか
1
,
鈴木 麻生
,
佐藤 麻起
,
河野 真純
,
中村 和子
,
蒲原 毅
1横浜市立大学附属市民総合医療センター 皮膚科
キーワード:
ヘルペスウイルス科感染症
,
Minocycline
,
Steroids
,
鑑別診断
,
水疱
,
多剤併用療法
,
発熱
,
免疫組織化学
,
粃糠疹-苔癬状
,
リンパ腫様丘疹症
Keyword:
Blister
,
Diagnosis, Differential
,
Drug Therapy, Combination
,
Fever
,
Herpesviridae Infections
,
Immunohistochemistry
,
Minocycline
,
Steroids
,
Lymphomatoid Papulosis
,
Pityriasis Lichenoides
pp.263-266
発行日 2016年3月1日
Published Date 2016/3/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2016170496
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<症例のポイント>急性痘瘡状苔癬状粃糠疹(pityriasis lichenoides et varioliformis acuta:PLEVA)はMucha-Habermann病(MHD)ともいわれ、通常、大豆大までの壊死性丘疹、紅斑が急速に全身に拡大する臨床像を呈し、全身状態が軽微であることが多い疾患である。自験例では、直径2cmまでの比較的大型の壊死性丘疹、水疱が全身にみられ、高熱が持続した。これらの臨床像から、自験例は通常のPLEVAと重症型のfebrile ulceronecrotic MHD(FUMHD)との中間に位置する病態と考えられた。PLEVAの原因は明らかでなく、治療法も確立されていないため種々の治療が試みられているが、難治例、再発例が少なくない。自験例は、ミノサイクリン内服の翌日より解熱し、約2週間で皮疹は色素沈着化し再発なく経過したことからミノサイクリン内服著効例と考えられた。
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