特集 ざ瘡・ざ瘡様発疹
臨床例
Behcet病様の皮膚症状と無菌性髄膜炎を合併した流行性筋痛症
山本 淳子
1
,
野老 翔雲
,
高河 慎介
,
沢田 泰之
1東京都立墨東病院 皮膚科
キーワード:
Behcet症候群
,
コクサッキーウイルス感染症
,
ヘルペスウイルス科感染症
,
Minocycline
,
Prednisolone
,
胸膜痛-流行性
,
鑑別診断
,
髄膜炎-無菌性
,
多剤併用療法
Keyword:
Behcet Syndrome
,
Diagnosis, Differential
,
Coxsackievirus Infections
,
Drug Therapy, Combination
,
Herpesviridae Infections
,
Meningitis, Aseptic
,
Minocycline
,
Prednisolone
,
Pleurodynia, Epidemic
pp.283-286
発行日 2013年3月1日
Published Date 2013/3/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2013205729
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<症例のポイント>発熱・頭痛・筋肉痛・関節痛とともに毛嚢炎様皮疹、口唇アフタ、結節性紅斑などの皮膚症状を伴い、初診時Behcet病を疑ったが、確定診断には至らなかった。2週間以上遷延する発熱・頭痛・筋肉痛などの多彩な臨床症状より流行性筋痛症を疑い、コクサッキーB3抗体価を測定したところ陽性であった。自験例でみられた毛嚢炎様皮疹を含むBehcet病類似の症状は、流行性筋痛症の原因となったコクサッキーウイルス感染に起因した好中球活性化に伴うものと考えた。流行性筋痛症に関する皮膚症状の報告は数少なく、アフタ以外の発疹に関する記載はない。手足口病を疑う皮膚症状を認めなくてもBehcet病類似の症状とともに、頭痛、発熱、関節痛などウイルス感染を疑う非特異的な全身症状に筋痛を伴った場合、コクサッキーウイルス感染による流行性筋痛症を鑑別に考える必要がある。
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