Japanese
English
症例報告
妊娠中に発症した急性痘瘡状苔癬状粃糠疹
A case of pityriasis lichenoides et varioliformis acuta during pregnancy
青島 正浩
1
,
津嶋 友央
1
Masahiro AOSHIMA
1
,
Tomohisa TSUSHIMA
1
1富士市立中央病院皮膚科
1Division of Dermatology,Fuji City General Hospital,Fuji,Japan
キーワード:
急性痘瘡状苔癬状粃糠疹
,
妊娠
,
切迫早産
,
B型肝炎
,
ナローバンドUVB
Keyword:
急性痘瘡状苔癬状粃糠疹
,
妊娠
,
切迫早産
,
B型肝炎
,
ナローバンドUVB
pp.203-206
発行日 2012年3月1日
Published Date 2012/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103190
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要約 24歳,女性.妊娠36週,切迫早産の治療中に体幹,四肢に自覚症状のない紅斑,褐色斑が多発した.妊娠39週で出産し,その後も皮疹の新生が続くため当科を受診した.初診時,体幹の皮疹の多くは色素沈着となっていたが,四肢には紅斑や紫斑が存在した.病理組織学的には表皮個細胞壊死,リンパ球の表皮内浸潤,表皮から真皮浅層にかけて出血などの所見を認め,急性痘瘡状苔癬状粃糠疹と診断した.また,出生時よりB型肝炎ウイルス無症候性キャリアであったが,皮疹出現に伴い,肝機能障害を認めた.2か月間のナローバンドUVBの照射によって,皮疹は消退した.妊娠,特に切迫早産時に,本症発症例が報告されており,自験例も類似例と考えた.妊娠環境下でB型肝炎ウイルスが増殖し,炎症性サイトカインが産生増加したことが,発症を促したと考察した.
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