特集 子どもの皮膚診療を極めるために
Ⅰ プライマリケアで重要な皮膚症状とその対応
ジベルばら色粃糠疹,急性痘瘡状苔癬状粃糠疹
清島 真理子
1
1朝日大学病院皮膚科
pp.120-125
発行日 2024年4月20日
Published Date 2024/4/20
DOI https://doi.org/10.34433/pp.0000000962
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診療のポイント
■ジベルばら色粃糠疹(PR),急性痘瘡状苔癬状粃糠疹(PLEVA)はいずれも小児か若年成人に発症する予後良好な皮膚疾患である.
■PRは初発疹(ヘラルドパッチ)の約1週間後に襟飾り様の鱗屑を伴う紅斑が多発し,1~2か月で自然消退する.痒みはない.
■PLEVAの典型疹は中央に痂皮を付けた,痒みのない多発性丘疹である.しかし,強い痒みを伴ったり,発熱などの全身症状を伴うことがある.病理は表皮の液状変性と表皮内へのリンパ球浸潤,真皮上層の血管周囲リンパ球浸潤と赤血球の血管外漏出が特徴である.
■両疾患とも治療はステロイド外用が主体で,痒みのある場合には抗ヒスタミン薬内服を行う.
■最近では両疾患の発症においてCOVID-19感染やワクチン接種との関連が報告されている.
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