特集 体幹の皮膚病-炎症性
臨床例
融合性細網状乳頭腫症との鑑別に苦慮した色素性痒疹
大塚 俊宏
1
,
黒川 晃夫
,
森脇 真一
1大阪医科大学 皮膚科学教室
キーワード:
Minocycline
,
鑑別診断
,
生検
,
多剤併用療法
,
経口投与
,
経皮投与
,
Betamethasone Butyrate Propionate
,
融合性細網状乳頭腫症
,
痒疹-色素性
Keyword:
Administration, Cutaneous
,
Administration, Oral
,
Biopsy
,
Diagnosis, Differential
,
Drug Therapy, Combination
,
Minocycline
,
Betamethasone Butyrate Propionate
pp.457-460
発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2013255766
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
<症例のポイント>色素性痒疹と融合性細網状乳頭腫症は臨床上の類似点が多く、診断に苦慮することも少なくない。色素性痒疹は、若年女性の胸部や上背部に好発し、そう痒を伴う紅色丘疹が発作性に多発し、粗大網目状の色素沈着を残す炎症性皮膚疾患である。一方、融合性細網状乳頭腫症は、体幹を中心にそう痒のない網目状の色素斑を生じる角化性皮膚疾患である。両疾患ともにミノサイクリンやジアフェニルスルホンの有効例が報告され、自験例においてもミノサイクリンが奏効した。自験例ではそう痒がなく、融合性細網状乳頭腫症を強く疑ったが、病理組織学的所見から色素性痒疹と診断した。
Copyright© 2013 KYOWA KIKAKU Ltd. all rights reserved.