特集 サルコイドーシス-2013
臨床例
ミノサイクリン内服が奏効したサルコイドーシス
中村 有希子
1
,
中村 好貴
,
武藤 正彦
1山口大学 大学院医学系研究科皮膚科学分野
キーワード:
Clobetasol
,
Minocycline
,
鑑別診断
,
生検
,
多剤併用療法
,
凍瘡
,
経口投与
,
経皮投与
,
皮膚疾患-手部
,
サルコイドーシス-皮膚
Keyword:
Administration, Cutaneous
,
Administration, Oral
,
Biopsy
,
Diagnosis, Differential
,
Clobetasol
,
Chilblains
,
Drug Therapy, Combination
,
Hand Dermatoses
,
Minocycline
pp.75-78
発行日 2013年1月1日
Published Date 2013/1/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2013118076
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<症例のポイント>びまん浸潤型は皮膚サルコイドの中でももっとも特異的な病型で、その発疹の特徴はlupus pernioと称されるように凍瘡の好発部位(指趾、耳介、頬、鼻)に生じるびまん性の浸潤性紅斑であり、本邦における皮膚サルコイドの中ではまれな病型である。自験例のように、びまん浸潤型の発疹が片側性に限局した例は過去の報告例を調べえたかぎりでは、自験例を含め5例の報告しかなく、比較的まれと考えられた。最近の研究によりサルコイドーシス患者の約8割前後で、病変部肉芽腫内にPropionibacterium acnes(P.acnes)が局在していることがわかり、P.acnesがサルコイドーシスの肉芽腫形成の原因細菌である可能性が示唆される。ミノサイクリンはP.acnesに対して作用し、その病勢を抑制している可能性がある。自験例でも、プロピオン酸クロベタゾール軟膏外用では効果は認められなかったが、ミノサイクリン内服を併用することにより、腫脹および浸潤性紅斑の著明な改善を認めた。
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