特集 体幹の皮膚病-炎症性
臨床例
Grover病との鑑別を要したDarier病
白井 昌江
1
,
古田 未征
1草津総合病院 皮膚科
キーワード:
Etretinate
,
Darier病
,
鑑別診断
,
生検
,
経口投与
,
遺伝学的検査
,
一過性棘融解性皮膚症
Keyword:
Administration, Oral
,
Biopsy
,
Diagnosis, Differential
,
Etretinate
,
Genetic Testing
,
Darier Disease
pp.461-464
発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2013255767
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<症例のポイント>Darier病は常染色体優性遺伝疾患で、細胞内のカルシウムポンプをコードするATP2A2遺伝子の変異が原因である。小児期や10歳代で発症することが多く、高齢での発症・悪化はまれである。今回、紅色丘疹が持続するため、腹部の丘疹から皮膚生検をしたところ、基底層の裂隙形成を認めた。Grover病を疑い自然軽快を期待したが軽快せず、遺伝子診断を行いDarier病と診断した。エトレチナートの内服で紅斑・丘疹は軽快傾向である。高齢になってから症状が出現、悪化してきた場合、他疾患との鑑別・診断の手段として遺伝子診断は有効である。
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