特集 Hirschsprung病類縁疾患―診断・治療最前線―
Hypoganglionosis(腸管神経節細胞僅少症) Hypoganglionosisに対する手術―適切な腸瘻造設部位と手術術式―
矢本 真也
1
Masaya Yamoto
1
1静岡県立こども病院小児外科
pp.1217-1220
発行日 2024年12月25日
Published Date 2024/12/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000001027
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
Hypoganglionosis(腸管神経節細胞僅少症)は,腸管神経系(enteric nervous system: ENS)において神経節細胞の数が正常よりも少なく,未熟であることが特徴の疾患で,消化管の蠕動運動機能に影響を与え,慢性的な便秘,腹痛,腸閉塞などの症状を引き起こす.蠕動運動機能障害といっても,その重症度は必ずしも一律ではない。全消化管型無神経節腸管(Total intestinal aganglionosis)に近しいほど,腸管神経節細胞が少ないものから,一部の腸管では病理学的診断基準(20個/1cm)内でも,他の部位では病理学的診断基準を満たさないような症例も存在するため,一律の術式は当てはまらないと考える。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.