特集 再手術の戦略と実際
先天性胆道拡張症に対する再手術:その意義と適応
三宅 啓
1
,
矢本 真也
1
,
野村 明芳
1
,
菅井 佑
1
,
合田 陽祐
1
,
山城 優太朗
1
,
福本 弘二
1
Hiromu Miyake
1
,
Masaya Yamoto
1
,
Akiyoshi Nomura
1
,
Yu Sugai
1
,
Yosuke Goda
1
,
Yutaro Yamashiro
1
,
Koji Fukumoto
1
1静岡県立こども病院小児外科
pp.704-708
発行日 2024年7月25日
Published Date 2024/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000882
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はじめに
先天性胆道拡張症(CBD)は胆管切除後特有の遠隔期合併症として,胆管炎や肝内結石といった肝側の問題や,膵石,膵炎など膵側の問題がある。こうした合併症は胆管切除時に十分な吻合径をもった肝管空腸吻合を行うことや,膵内胆管の十分な剝離を行うことで減らすことができる1)。しかしながら,時に治療介入の必要な晩期合併症を経験する。近年,肝管空腸吻合部に関連した合併症に対してはまず内視鏡治療が選択されることが多くなっているが,手術介入が必要な症例も存在する2)。肝側および膵側それぞれに関連した晩期合併症に対する近年の知見をふまえた再手術の意義を述べるとともに,複雑な病態を呈した再手術の自験例を提示する。
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