特集 胆道閉鎖症の研究update
胆道閉鎖症診療ガイドラインの改訂に向けて
仁尾 正記
1
,
虻川 大樹
2
,
内田 広夫
3
,
黒田 達夫
4
,
鈴木 達也
5
,
山髙 篤行
6
,
吉田 雅博
7
,
和田 基
8
,
佐々木 英之
9
,
大久保 龍二
8
Masaki Nio
1
,
Daiki Abukawa
2
,
Hiroo Uchida
3
,
Tatsuo Kuroda
4
,
Tatsuya Suzuki
5
,
Atsuyuki Yamataka
6
,
Masahiro Yoshida
7
,
Motoshi Wada
8
,
Hideyuki Sasaki
9
,
Ryuji Okubo
8
1東北公済病院
2宮城県立こども病院総合診療科・消化器科
3名古屋大学小児外科
4神奈川県立こども医療センター
5名古屋市立大学医学部附属みどり市民病院小児外科
6順天堂大学小児外科・小児泌尿生殖器外科学
7国際医療福祉大学医学部消化器外科
8東北大学小児外科
9宮城県立こども病院外科
pp.170-173
発行日 2024年2月25日
Published Date 2024/2/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000726
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はじめに
かつては胆道閉鎖症(以下,本症),特にその吻合不能型は救命不可能な病態とされていたが,1950年代に肝門部腸吻合術(葛西手術)1)が開発され,さらに1980年代以降の肝移植の普及によって多くの症例の救命が可能となった。しかし,その後も本症の診断・治療上の課題が多く残されていて,特に小児期から成人期への医療移行,いわゆるトランジションにおける諸問題が顕在化し,小児と成人診療科の医療者の連携,広い年齢層にわたる診断・治療の標準化などを念頭においた取り組みが開始された。この取り組みの一つとして,日本胆道閉鎖症研究会が作成主体となり『胆道閉鎖症診療ガイドライン』2)が作成された。現行のガイドラインが公開されたのは2018年であるが,当初の計画に沿って5年ごとの改訂を行うため,2021年より改訂に向けての作業が開始された。
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