特集 胎児治療の進歩と今後の展望
わが国の胎児治療の実態
遠藤 誠之
1,2
,
祝 小百合
2
,
和田 誠司
4
,
高橋 雄一郎
5
,
石井 桂介
6
,
村越 毅
7
,
中田 雅彦
8
,
室月 淳
9
,
左合 治彦
3,4
Masayuki Endo
1,2
,
Sayuri Iwai
2
,
Seiji Wada
4
,
Yuichiro Takahashi
5
,
Keisuke Ishii
6
,
Takeshi Murakoshi
7
,
Masahiko Nakata
8
,
Jun Murotsuki
9
,
Haruhiko Sago
3,4
1大阪大学大学院医学研究科保健学専攻生命育成看護科学
2大阪大学大学院医学研究科産科学婦人科学
3国立成育医療研究センター周産期・母性診療センター
4国立成育医療研究センター周産期センター胎児診療科
5岐阜県総合医療センター胎児診療科
6大阪母子医療センター産科
7聖隷浜松病院・総合周産期母子医療センター
8東邦大学大学院医学研究科産科婦人科学講座
9東邦大学大学院医学研究科医科学専攻先進成育医学講座胎児医学分野
pp.9-14
発行日 2023年1月25日
Published Date 2023/1/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000322
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はじめに
出生前診断技術の進歩により種々の胎児疾患が出生前に診断されるようになり,胎児も治療対象として認識されるようになってきた。胎児期に治療可能な疾患を治療することは,出生後の疾患の軽症化につながり,緊迫している新生児医療に対する負担が軽減される。後遺症なき児の生存は福祉面など社会保障費の軽減に資する。これらの胎児に関する先進的な治療法の推進により国民の医療に対する期待に応え,安心して子どもを産み育てる環境を提供することに寄与する。さらに,少子化が深刻な日本において,胎児治療は医療政策の重要な課題である。
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