特集 完全把握をめざす小児の心疾患
症候群
22q11.2欠失症候群
澤田 博文
1
SAWADA Hirofumi
1
1三重大学医学部附属病院小児・AYAがんトータルケアセンター
pp.599-601
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001618
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はじめに
22q11.2欠失症候群は,DiGeorge症候群,円錐動脈幹奇形顔貌症候群,Velo-Cardio-Facial症候群(Sprintzen症候群)を含み,発生頻度は出生3000~6000人に1人と推定される1)。多くは散発性であるが,6~10%に常染色体顕性遺伝形式の家族例がみられる。染色体微細欠失症候群ではもっとも多く,染色体異常としてはTrisomy 21についで2番目に頻度が高い。先天性心疾患ではB型大動脈弓離断,総動脈幹遺残,Fallot四徴の症例に高率にみられ,大動脈異常(右側大動脈弓,鎖骨下動脈起始異常など)を合併することが多い2)。心疾患の修復術を完了した例では予後は比較的良好であるが,小児から成人までの成育サイクルに応じた多彩な症状を呈する(表1)。幼少時は前述の心疾患,免疫不全,低カルシウム血症,学童期には構音障害や学習障害,思春期から成人期には学習障害,精神障害などの管理が必要である。
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