特集 小児科医ができるアドボカシー活動~こどものこえを社会のこえにするために小児科医ができること~
総論
こどもの健康課題のマッピング
竹原 健二
1,2
TAKEHARA Kenji
1,2
1国立成育医療研究センター研究所政策科学研究部
2成育こどもシンクタンク戦略支援室
pp.1570-1573
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001137
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背 景
こどもを取り巻く環境や疾病構造が変化し,それに伴い,健康課題が複雑化しているといわれる。2020年にユニセフ・イノチェンティ研究所が発表した,先進国のこどもたちの精神的・身体的な健康と,学力・社会的スキルに関する調査結果では,OECDもしくはEUに加盟する38か国中,日本のこどもは身体的健康度が1位であったのに対し,精神的健康度が37位,スキルが27位であること示された1)。もちろん,各分野2項目でどれだけ適切に健康度が評価できるのか,という限界はある(表)。だが,「生活に満足している!」と言い切れるこどもが多くはないことや,自死を選ばなければならないこどもが多いという事実から,目を背けるわけにはいかない。
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