Japanese
English
特集 不整脈—診断と治療のトピックス2000
新しい不整脈マッピング法Electro-anatomicalマッピング
Novel Methods of Arrhythmia Mapping
庄田 守男
1
,
谷崎 剛平
1
,
杉浦 亮
1
,
布田 有司
1
,
萩原 誠久
1
Morio Shoda
1
,
Gouhei Tanizaki
1
,
Ryo Sugiura
1
,
Yuji Fuda
1
,
Nobuhisa Hagiwara
1
1東京女子医科大学日本心臓血圧研究所循環器内科
1Department of Cardiology, The Heart Institute of Japan, Tokyo Women's Medical University
pp.1201-1205
発行日 2000年12月15日
Published Date 2000/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902200
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
臨床心臓電気生理学的検査は1970年代より一般に普及しはじめた不整脈の検査法であり,心腔内に固定した電極カテーテルでの心内電位記録法やプログラム刺激法を駆使しての不整脈の確定診断,薬効評価,リスク判定などを行った.しかし,1980年代前半よりカテーテルアブレーションという不整脈に対する新しい治療法が導入されるようになってからは,電気生理学的検査の主目的が「アブレーション治療を行うための不整脈診断」に変化した.例えばWPW症候群に対しては,頻拍の機序診断やリスク判定をするだけではなく,副伝導路の位置を正確に同定し,最終的に焼灼治療をするという段階まで進んで初めて検査が完結するのである.先人達の努力により,WPW症候群,房室結節リエントリー性頻拍,通常型心房粗動,特発性心室頻拍などの不整脈に対しては,伝統的な方法により短時間でアブレーション治療が成功するノウハウがすでに確立している.しかし,稀有型心房粗動や続発性心室頻拍などの複雑な機序による不整脈に対しては,従来の検査法では難渋することがあり,また心臓手術既往例や心奇形を合併した症例などでは解剖学的な異常構造物が不整脈の発生に密接に関係しているため,肉眼的な構造ばかりではなく電気的な構造異常にも留意して検査を進める必要がある.これらの問題点は,従来型臨床電気生理学的検査法の弱点であり,「アブレーション治療の成功」というゴールにたどり着くためには,アブレーション手技に膨大な時間を要しX線透視による放射線被曝を被ることがある.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.