特集 分子標的薬を極める
各論
【コラム】食物アレルギーに対する分子標的薬応用の可能性
福家 辰樹
1
FUKUIE Tatsuki
1
1国立成育医療研究センターアレルギーセンター 総合アレルギー科
pp.242-243
発行日 2023年2月1日
Published Date 2023/2/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000767
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食物アレルギー(food allergy:FA)は世界中でこの数十年間に有病率が急増していることが知られ,その経済的負担も無視できない。米国における報告では,FAにかかる年間経済的負担は約248億ドル,子ども1人あたりでは4184ドルと試算され,今後さらに増加しつつあると報告されている1)。保護者の職業への影響や,重症者におけるQOLの損失なども考慮すれば,生物学的製剤といった高額な治療薬であっても十分にコストに見合う可能性があるが,現在,FAに対する適応が承認された生物学的製剤はない。
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