増え続けるアレルギー疾患-内科医にできる対策と治療
分子標的薬のアレルギー治療における可能性
長瀬 洋之
1
1帝京大学 医学部内科学講座呼吸器・アレルギー学
キーワード:
IgE
,
Interleukin-5
,
喘息
,
Interleukin-13
,
Th2細胞
,
治療成績
,
Mepolizumab
,
Omalizumab
,
分子標的治療
,
抗IgE抗体
Keyword:
Omalizumab
,
Asthma
,
Immunoglobulin E
,
Interleukin-5
,
Treatment Outcome
,
Interleukin-13
,
Th2 Cells
,
Molecular Targeted Therapy
,
Anti-IgE Antibodies
,
Mepolizumab
pp.1121-1128
発行日 2016年12月1日
Published Date 2016/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2017097368
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現在,喘息に対して臨床使用できる分子標的薬は,抗IgE抗体(omalizumab)と抗IL-5抗体(mepolizumab)である.omalizumabの奏功背景として,呼気一酸化窒素濃度,血清ペリオスチン高値が同定されている.至適な治療期間を同定するために,中止後の影響も検討され始めている.IL-5抗体は,好酸球性喘息に限定して使用することが重要である.抗IL-5Rα抗体であるbenralizumabの有効性も報告されている.IL-13については,単独のIL-13抗体よりも,IL-4とIL-13の双方を阻害する抗IL-4Rα抗体(dupilumab)の有効性が高い.Th2を標的とした治療として,CRTH2,TSLP,TLRリガンドが検討されている.
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