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増刊号 小児疾患診療のための病態生理3―改訂第6版―
Ⅶ.血液・腫瘍性疾患
17.Down症候群関連骨髄増殖症― 一過性異常骨髄増殖症およびDown症候群関連骨髄性白血病
Myeloid proliferations related to Down syndrome(transient abnormal myelopoiesis and myeloid leukemia associated with Down syndrome)
長谷川 大輔
1
HASEGAWA Daisuke
1
1聖路加国際病院小児科
pp.917-921
発行日 2022年12月23日
Published Date 2022/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000675
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1 基本病因,発症機序
1.Down症候群における血液学的異常
Down症候群(Down syndrome:DS)は21番染色体のトリソミーによって生じる染色体異常であり,特徴的顔貌,精神運動発達遅滞をはじめとした多彩な症状を呈する。DS児の約10%は新生児期に末梢血中で芽球が一過性に増加する一過性異常骨髄増殖症(transient abnormal myelopoiesis:TAM)とよばれる特有の病態をきたすが,TAMを発症していないDS児でも高頻度に好中球増加,血小板減少,多血症,3血球系統の形態学的異常や末梢血中芽球を認める(表1)1)ことより,これらの血液学的異常はトリソミー21そのものによって生じるものと考えられている2)。
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