特集 あらためて見直すDown症候群――適切な管理とサポートで よりよい成人期につなげる
総論
1.Down症候群とは
-――発症メカニズム・診断・予後など
川谷 圭司
1
1大阪大学大学院医学系研究科小児科学
pp.864-869
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003563
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Down症候群は,21番染色体の1本すべてあるいは部分的に過剰に存在する(トリソミー)ことにより発症する最も頻度の高い染色体異常であり,知的発達症や先天性心疾患,造血異常など多岐にわたる合併症を呈する.近年では外科技術や産科管理,新生児医療の進歩により,平均寿命は約60歳にまで延伸しており,小児期から成人期にわたる長期的な支援が求められる.一般に広く知られた疾患ではあるが,診断や治療法,予後,将来像については近年大きく変化しており,正しく認識されているとはいえない.また発症メカニズムに関してもいまだ十分に解明されておらず,今後のさらなる研究が望まれている.

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