Japanese
English
増刊号 小児疾患診療のための病態生理3―改訂第6版―
Ⅶ.血液・腫瘍性疾患
18.リンパ腫(Hodgkinリンパ腫,非Hodgkinリンパ腫)
Hodgkin lymphoma and Non-Hodgkin lymphoma
関水 匡大
1
SEKIMIZU Masahiro
1
1国立病院機構名古屋医療センター小児科・臨床研究センター
pp.922-927
発行日 2022年12月23日
Published Date 2022/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000676
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
1 基本病因,発症機序
リンパ腫は小児悪性腫瘍の約10%を占め,わが国では急性白血病,神経芽腫,脳腫瘍についで4番目に多い疾患である。悪性リンパ腫は,Hodgkinリンパ腫(Hodgkin lymphoma:HL)と非Hodgkinリンパ腫(Non-Hodgkin lymphoma:NHL)に大別される。欧米では両者の発生頻度はほぼ等しいが,わが国ではNHLが約90%を占め,HLは年間新規患者数20例程度と考えられており,非常にまれな疾患である。小児NHLはほとんどが高悪性度であり,Burkittリンパ腫(Burkitt lymphoma:BL),びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(diffuse large B-cell lymphoma:DLBCL),リンパ芽球性リンパ腫(lymphoblastic lymphoma:LBL),未分化大細胞型リンパ腫(anaplastic large cell lymphoma:ALCL)の4種で90%以上を占める。これ以外に濾胞性リンパ腫,末梢T細胞性リンパ腫,NK/T細胞性リンパ腫などもみられるが,いずれもごくまれであるため本稿では割愛する。HLは二峰性の年齢分布を有し,初期のピークは20代の半ば~後半に起こるため,小児期においては年齢が高くなるにつれ頻度が高くなる。NHLの好発年齢は白血病に比して高く5歳以上であり,とくにT細胞性LBL,DLBCL,ALCLは10~14歳に多い。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.