臨時増刊特集 診断基準とその使い方
IX.血液・造血器疾患
骨髄増殖症候群
山口 潜
1
1虎の門病院血液科
pp.2122-2125
発行日 1977年12月5日
Published Date 1977/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207614
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はじめに
Dameshek, W. 1)は,骨髄ないし髄外造血巣に原発する原因不明の増殖性病変がたがいに移行する,または深く関連していることに注目し,骨髄増殖症候群(myeloproliferative syndromeまたはdisorder)として一括し,これを表1のように慢性型と急性型に分類した.
急性骨髄増殖症候群のうち,急性骨髄性白血病(以下AMLと省略)以外の疾患は稀で,鑑別に困難を感ずることは少ない2)が,慢性骨髄増殖症候群では,疾患相互に密接な関連性があり,とくに骨髄線維症(以下MFと省略)と慢性骨髄性白血病(以下CMLと省略)の関係は極めて近縁と考えられる.また,Bouroncle,B. A. ら3)は,真性多血症として経過を観察していた300例のうち10例が,5ないし13年の経過中にMFに移行したという.一方,血小板血症以外の慢性骨髄増殖症候群でも血小板数の著明な増加をみることがあるが,数的・形態学的に著変がなくても血小板の機能的な異常が証明される例が多い4).
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