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増刊号 小児疾患診療のための病態生理3―改訂第6版―
Ⅶ.血液・腫瘍性疾患
16.骨髄異形成症候群,若年性骨髄単球性白血病
Myelodysplastic syndrome and Juvenile myelomonocytic leukemia
平林 真介
1
HIRABAYASHI Shinsuke
1
1北海道大学病院小児科
pp.910-916
発行日 2022年12月23日
Published Date 2022/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000674
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骨髄異形成症候群
1 基本病因,発症機序
骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome:MDS)は造血幹細胞のクローン性異常により無効造血をきたし,血球減少,造血細胞の形態異常,急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia:AML)への進展のリスクがある疾患である(図1)。小児MDSは明らかな背景となる原因がなくても発症するが,遺伝性骨髄不全症候群(inherited bone marrow failure syndrome:IBMFS)に合併する症例,GATA2,RUNX1遺伝子などの生殖細胞系列変異による家族性MDSとして発症する症例(孤発例もある),化学療法や放射線照射後に発症する症例もある。成人と異なり小児MDSはまれで,小児白血病の約5%,日本での発症数は年間70例前後で性差はみられず,乳児期~思春期までの全年齢層で発症する。多くは低形成骨髄を示し,再生不良性貧血(aplastic anemia:AA)とオーバーラップすることもある。
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