Japanese
English
増刊号 血液形態アトラス
Ⅰ部 造血器悪性腫瘍
1章 急性白血病
12 一過性骨髄異常増殖(TAM)
Transient abnormal myelopoiesis(TAM)
常名 政弘
1
1東京大学医学部附属病院検査部
pp.882-883
発行日 2015年9月15日
Published Date 2015/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543206150
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
一過性異常骨髄造血(transient abnormal myelopoiesis:TAM)は,Down症候群(Down syndrome:DS)の新生児の末梢血や肝臓などで巨核芽球が増殖し,急性巨核芽球性白血病(acute megakaryoblastic leukemia:AMKL)に同様の血液像を呈し,その後数週間から3カ月間で自然治癒する病態をいう2,3).出生後早期より,出血傾向,肝脾腫,呼吸障害,黄疸などによって診断されることが多い.
DS新生児の約10%に生じ,約80%の症例は自然寛解するが,約20%は早期死亡に至る.自然寛解した症例の約1/4は,4歳までに骨髄異形成症候群を経て,AMKLを発症する.赤血球・巨核球の発生・分化に関係する転写因子であるGATA1の変異をほぼ全例で認める.
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.