Japanese
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増刊号 小児疾患診療のための病態生理3―改訂第6版―
Ⅱ.先天代謝異常
35.Wilson病
Wilson disease
清水 教一
1
SHIMIZU Norikazu
1
1東邦大学医療センター大橋病院小児科
pp.222-228
発行日 2022年12月23日
Published Date 2022/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000549
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はじめに
Wilson病は,常染色体潜性(劣性)遺伝形式をとる先天性銅代謝異常症の代表的疾患である。肝レンズ核変性症ともよばれることがあるが,Wilson博士が1912年に雑誌「Brain」に本疾患について報告したことからこの名がついた1)。肝臓ならびに中枢神経をはじめとする体内の種々の臓器に銅が過剰に蓄積することにより生じる疾患である。本症は進行性の疾患であり自然歴では予後不良な疾患であるが,治療が可能な数少ない遺伝病のひとつでもある。銅キレート薬や亜鉛薬による内科的治療法が確立されている。
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