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増刊号 小児疾患診療のための病態生理3―改訂第6版―
Ⅱ.先天代謝異常
13.プロピオン酸血症
Propionic acidemia
但馬 剛
1
,
香川 礼子
2
,
宇都宮 朱里
3
TAJIMA Go
1
,
KAGAWA Reiko
2
,
UTSUNOMIYA Akari
3
1国立成育医療研究センター研究所マススクリーニング研究室
2広島大学病院小児科
3広島市立安佐市民病院小児科
pp.101-105
発行日 2022年12月23日
Published Date 2022/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000527
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1 基本病因,発症機序
プロピオン酸血症(OMIM #606054)は,必須アミノ酸であるバリン・イソロイシン代謝経路上の酵素プロピオニル-CoAカルボキシラーゼ(EC 6.4.1.3;propionyl CoA carboxylase:PCC)の活性低下によって,プロピオン酸をはじめとする短鎖カルボン酸が蓄積する代表的な有機酸代謝異常症である。PCCはミトコンドリア基質に発現しており,αサブユニットとβサブユニットからなる多量体である。各サブユニットは,それぞれPCCA遺伝子(MIM 232000,局在13q32.3)とPCCB遺伝子(MIM 232050,局在3q22.3)にコードされており,疾患の遺伝形式は常染色体潜性(劣性)を示す。
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