話題
プロピオン酸血症
大浦 敏博
1
Toshihiro OHURA
1
1東北大学医学部小児科
pp.233
発行日 1992年10月30日
Published Date 1992/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542901320
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プロピオン酸血症はプロピオニルCoAカルボキシラーゼ(PCC)の欠損により引き起こされる有機酸代謝異常症である.患児は出生後間もなくから高アンモニア血症,代謝性アシドーシスで発症し,適切な治療がなされなければ不幸な転帰をとることが多い1).
PCCはビオチンを補酵素とするミトコンドリア酵素で,2つの異なるサブユニットから成り成熟酵素はα6β6構造をとる.1986年,Krausら2)はラットPCCβ鎖の全長cDNAを初めて分離し,その全塩基配列を決定した.また,同年Lamhonwahら3)もヒトPCCα,β鎖をそれぞれコードしている部分cDNAを単離し,α鎖遺伝子は第13染色体,β鎖遺伝子は第3染色体に局在していることが明らかとなった.
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