Japanese
English
増刊号 小児疾患診療のための病態生理3―改訂第6版―
Ⅱ.先天代謝異常
5.メープルシロップ尿症
Maple syrup urine disease
石毛 美夏
1
ISHIGE Mika
1
1日本大学医学部小児科学系小児科学分野
pp.59-61
発行日 2022年12月23日
Published Date 2022/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000519
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
1 基本病因,発症機序
メープルシロップ尿症(maple syrup urine disease:MSUD,OMIM 248600)は,分岐鎖α-ケト酸脱水素酵素(branched-chain α-keto acid dehydrogenase:BCKDH)複合体の先天的な活性低下により,分枝鎖アミノ酸(branched-chain amino acid:BCAA)のバリン・ロイシン・イソロイシンとその代謝産物の分枝鎖α-ケト酸(branched-chain α-keto acids:BCKA)の上昇をきたす先天代謝異常症である1)。BCKDHはE1α,E1β,E2,E3の4つの蛋白質からなる複合体である。残存酵素活性やビタミンB1の反応性,ほかの酵素活性低下の合併などにより,古典型,間欠型,中間型,チアミン反応型およびE3欠損の5つの病型に分けられる2)。遺伝形式は常染色体潜性(劣性)遺伝で,わが国での頻度は出生約50万人に1人と考えられている2)。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.