特集 成人患者における小児期発症慢性疾患
成人期における主な小児期発症疾患の病態・管理
先天代謝異常 フェニルケトン尿症
石毛 美夏
1
ISHIGE Mika
1
1日本大学医学部小児科学系小児科学分野
pp.1618-1621
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000405
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
フェニルケトン尿症(PKU)は,わが国では1977年に開始された新生児マススクリーニング(NBS)の当初からの対象疾患の一つであり,原則として全例NBSで発見される。NBS開始から45年が経過し,国内700余名の患者のうち半数以上は成人である。無症状である新生児期にフェニルアラニン(Phe)除去ミルクによる治療が開始され,神経症状発現前に十分な治療を行えるようになった結果,NBS施行後はほぼ全例が通常学級に進学しており,成人後は通常に就労し,結婚や妊娠出産が可能となっている。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.