症例
小児期に発症したTAFRO症候群の1例
原 晃啓
1
,
久保田 一生
1
,
桑原 祐也
1
,
松澤 依子
2
,
山本 崇裕
1
,
木村 豪
1
,
境 美穂
1
,
足立 美穂
1
,
川本 美奈子
1
,
川本 典生
1
,
浅野 好美
3
,
金子 揚
4
,
酒々井 夏子
5
,
宮崎 龍彦
5
,
正木 康史
6
,
大西 秀典
1
HARA Akihiro
1
,
KUBOTA Kazuo
1
,
KUWABARA Yuya
1
,
MATSUZAWA Yoriko
2
,
YAMAMOTO Takahiro
1
,
KIMURA Takeshi
1
,
SAKAI Miho
1
,
ADACHI Miho
1
,
KAWAMOTO Minako
1
,
KAWAMOTO Norio
1
,
ASANO Yoshimi
3
,
KANEKO You
4
,
SUZUI Natsuko
5
,
MIYAZAKI Tatsuhiko
5
,
MASAKI Yasufumi
6
,
ONISHI Hidenori
1
1岐阜大学大学院医学系研究科小児科学
2松波総合病院小児科
3岐阜大学医学部附属病院腫瘍外科
4岐阜大学医学部附属病院放射線科
5岐阜大学医学部附属病院病理部
6金沢医科大学血液免疫内科学
pp.1745-1751
発行日 2022年10月1日
Published Date 2022/10/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000433
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はじめに
TAFRO症候群は2010年にTakaiが初めて報告した疾患で,血小板減少(thrombocytopenia),全身性浮腫(anasarca),発熱(fever),骨髄の細網線維化(reticulin fibrosis),臓器腫大(organomegaly)を伴う原因不明の全身性炎症性疾患である1)。多中心性Castleman病の類縁疾患として考えられており,比較的新しい疾患概念である。2015年にMasakiらにより診断基準が提案され2),2019年に新しい診断基準に改訂された3)。治療にはステロイドや免疫抑制薬が使用される。TAFRO症候群は,急性あるいは亜急性に発症し急速進行性で死にいたるものもあり,早期診断と早期治療介入が重要である。発症年齢の中央値は50歳とされ4),小児例はまれである。
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