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第4章 リウマチ・膠原病
[TAFRO症候群]正確な診断と迅速な治療開始のために
正木 康史
1
,
上田 祐輔
1
,
柳澤 浩人
1
1金沢医科大学 血液免疫内科学
キーワード:
全身性炎症性疾患
,
体液貯留
,
血小板減少
,
進行性腎障害
Keyword:
全身性炎症性疾患
,
体液貯留
,
血小板減少
,
進行性腎障害
pp.531-534
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika134_531
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Summary
・TAFRO症候群は2010年に本邦より提唱された急性の全身性炎症性疾患である.
・リンパ節生検病理像の類似性から多中心性Castleman病の一部分症と捉える研究者もいるが,リンパ節腫大を呈さない症例もあるため,TAFRO症候群は独立した臨床的な疾患概念であり,多中心性Castleman病とは病理像が一部類似した関係と理解すべきである.
・病初期に急性に増悪するため,最重症に至る前の適切な診断と治療開始が必要である.治療は大量グルココルチコイド(GC)がまず用いられることが多いが,その奏効率は1割程度であり,多くの例で二次治療(tocilizumab,rituximab,cyclosporinなど)が必要である.
© Nankodo Co., Ltd., 2024