特集 骨髄腫と類縁疾患―全身をみわたす診断・治療
骨髄腫類縁疾患の診断と治療
Castleman病とTAFRO症候群
正木 康史
1
,
上田 祐輔
1
,
柳澤 浩人
1
,
在田 幸太郎
1
,
坂井 知之
1
1金沢医科大学 血液免疫内科学
キーワード:
インターロイキン6
,
ヒトヘルペスウイルス8
,
多クローン性高ガンマグロブリン血症
,
病理中央診断
Keyword:
インターロイキン6
,
ヒトヘルペスウイルス8
,
多クローン性高ガンマグロブリン血症
,
病理中央診断
pp.795-798
発行日 2022年10月1日
Published Date 2022/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika130_795
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Summary
▪Castleman病にはさまざまな病態が含まれる.
▪硝子血管型の単中心性Castleman病(UCD)は外科切除のみで治癒しうる単一の疾患単位である.
▪その他の多中心性Castleman病(MCD)はヘテロな疾患集団であるが,インターロイキン(IL)-6高値に伴う多クローン性リンパ増殖性疾患であり,ヒトヘルペスウイルス8(HHV-8)関連MCD,HHV-8陰性MCD(特発性MCD(iMCD)),その他の成因のものに分けられる.
▪TAFRO症候群はthrombocytopenia, anasarca, fever, reticulin fibrosis/renal insufficiency, organomegalyからなる造語であり,臨床的な疾患名である.
▪TAFRO症候群のリンパ節病理組織像はCastleman病類似でTAFRO-iMCDと称されるが,TAFRO症候群を呈さないiMCD(iMCD-NOS)とは臨床像や経過が異なる.
▪iMCD-NOSは慢性に経過し,血小板は増加し,高ガンマグロブリン血症(IgG増加)を呈するのに対し,TAFRO-iMCDでは急性の経過をとり,血小板は減少し,高γグロブリン血症は伴わない.
© Nankodo Co., Ltd., 2022