症例
A群溶血レンサ球菌による腋窩リンパ節膿瘍の1例
水野 佑也
1
,
久保田 一生
1
,
川本 典生
1
,
大西 秀典
1
,
深尾 敏幸
1
,
坂野 慎哉
2
,
加藤 充純
2
,
池辺 忠義
3
1岐阜大学大学院医学系研究科小児病態学
2岐阜大学大学院医学系研究科第二外科
3国立感染症研究所細菌第一部
キーワード:
emm1.0
,
A群溶血レンサ球菌
,
腋窩腫瘤
,
腋窩リンパ節膿瘍
,
化膿性リンパ節炎
Keyword:
emm1.0
,
A群溶血レンサ球菌
,
腋窩腫瘤
,
腋窩リンパ節膿瘍
,
化膿性リンパ節炎
pp.449-453
発行日 2020年4月1日
Published Date 2020/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001258
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A群溶血レンサ球菌(Group A streptococcus:GAS)は,血液寒天培地上でβ溶血を示すレンサ球菌の総称である.GASは小児の細菌性咽頭・扁桃炎の原因の多くを占める.咽頭・扁桃炎の合併症として,扁桃周囲膿瘍,咽後膿瘍,化膿性頸部リンパ節炎,乳突炎,急性副鼻腔炎,中耳炎などがみられる1).菌の侵入部位や組織によっては急性咽頭炎の他に,猩紅熱,膿痂疹,丹毒,蜂巣炎,中耳炎,肺炎,化膿性関節炎,骨髄炎,髄膜炎などさまざまな疾患を引き起こすことがある2).侵襲性GAS感染症においては急速な軟部組織壊死や敗血症をきたし,約40%が死亡する“人喰いバクテリア”として有名で,多くは四肢で発症する3).今回われわれは,GASによる腋窩リンパ節膿瘍の1例を経験したので報告する.
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