特集 成人患者における小児期発症慢性疾患
各専門領域における小児期発症慢性疾患の成人移行支援の取り組みの現状
先天代謝異常
窪田 満
1
KUBOTA Mitsuru
1
1国立成育医療研究センター総合診療部
pp.1503-1505
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000381
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はじめに
日本先天代謝異常学会は,当時の井田博幸理事長の指示で,2013年に移行期医療委員会を組織した。日本小児科学会が「小児期発症疾患を有する患者の移行期医療に関する提言」1)を公表する1年前の話である。その後,移行期医療委員会は継続的にこの問題に取り組み,日本先天代謝異常学会の学術集会やセミナーにおいて,成人移行支援に関するシンポジウムや教育講演を行ってきた。これらの活動のなかで得られた成果がいくつかあるが,本稿では,先天代謝異常症の代表的な疾患として,フェニルケトン尿症,ウイルソン病,糖原病を取り上げ,成人期の症状,治療と生活上の問題点に関して解説する。それ以外にも,日本小児科学会移行支援委員会にホモシスチン尿症,メチルマロン酸血症,尿素サイクル異常症,極長鎖アシルCoA脱水素酵素欠損症に関して,「疾患別ガイド」として成人期の医療の解説を提出している。
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