特集 神経学における最近の研究
<臨床>
先天代謝異常—脂質
鈴木 義之
1
1東京大学医学部小児科
pp.843-845
発行日 1978年7月10日
Published Date 1978/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904956
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先天性脂質代謝異常による疾患の多くは何らかの神経症状を示すが,その頻度からみると,スフィンゴリピドーシスが多い。現在確立されたスフィンゴリピドーシスは,すべてスフィンゴ脂質の分解酵素欠損症である。ただし,いまだ十分に検討されてはいないが,GM3-ガングリオシドーシスとして報告された症例にはGM2合成酵素の欠損があるとのことである(図1)。
これらの病気はNiemann-Pick病を除き,すべてそれぞれの脂質の糖側鎖の分解酵素の異常である。この中でβ-ガラクトシダーゼ欠損は幾つかの病気に共通の変化であり,またスルファターゼは他の硫酸化合物,とくにムコ多糖代謝異常症とも関係があるので,これらの酵素異常の問題点を以下に述べる。
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