特集 眼科専門医に必要な「全身疾患と眼」のすべて
3.代謝異常
その他の先天代謝異常
西川 為久
1
,
雑賀 司珠也
1
1和歌山県立医科大学眼科学教室
pp.62-64
発行日 2007年10月30日
Published Date 2007/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410101993
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Wilson病
1.病態と疫学
常染色体劣性遺伝形式をとり,肝硬変,錐体外路症状,Kayser-Fleischer角膜輪を三徴とする先天性銅代謝異常症である。肝臓における銅輸送膜蛋白ATP7B(P-type ATPase)の障害による胆汁中への銅の排泄障害とセルロプラスミンへの銅の取込み障害である。原因となるATP7B遺伝子は第13番染色体長腕にある。
保因者は100~150人に1人,ホモ保因者で発症するのは3万~9万人に1人と先天代謝異常としては高頻度である。発症年齢は3~45歳である。80%以上が10歳までに発症し,肝障害で発見されることが多い。学童期以降は神経症状や肝硬変で発見される。
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