特集 症例から学ぶミトコンドリア病
研究の最前線と新しい治療法
ミトコンドリア病のiPS細胞を用いた病態解明
徳山 剛士
1
,
安済 達也
1,2
,
魚崎 英毅
1
TOKUYAMA Takeshi
1
,
ANZAI Tatsuya
1,2
,
UOSAKI Hideki
1
1自治医科大学 分子病態治療研究センター再生医学研究部
2自治医科大学医学部小児科学講座
pp.635-639
発行日 2022年4月1日
Published Date 2022/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000131
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はじめに
人工多能性幹(induced pluripotent stem:iPS)細胞の登場により,遺伝性の希少疾患に対する病態研究のアプローチに改革がもたらされた。動物モデルが限られているミトコンドリア病では,患者由来の皮膚線維芽細胞や生検組織を用いた研究が行われてきた。多くのミトコンドリア関連遺伝子は線維芽細胞でも発現しているため,その遺伝子とミトコンドリア機能に関する理解は進んでいる。一方,それぞれの遺伝子変異,ミトコンドリア機能障害により,なぜ特定の臓器で症状が出るのかなどの具体的な発症機序に関してはその多くが明らかでない。
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