特集 症例から学ぶミトコンドリア病
研究の最前線と新しい治療法
L-アルギニン療法
古賀 靖敏
1,2,3
KOGA Yasutoshi
1,2,3
1ふくむら小児科
2久留米大学名誉教授
3前 久留米大学医学部小児科教授
pp.641-643
発行日 2022年4月1日
Published Date 2022/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000132
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はじめに
ミトコンドリア病は,ミトコンドリアのエネルギー産生系酵素の遺伝的異常によりひき起こされる難治性進行性疾患である。ミトコンドリア病の種々の病型のなかで,小児期に発作性の頭痛,嘔吐,半身けいれんで発症する病型がMELAS(mitochondrial myopathy,encephalopathy,lactic acidosis and stroke-like episodes)である。くり返す脳卒中様発作で,種々の機能不全をきたし,小児型MELASの平均死亡年齢が15歳という重篤な疾患である。ミトコンドリア病の標準治療として世界で認められたL-アルギニン治療は,わが国でも2022年10月から保険での処方が可能となる見込みである。
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