特集 これならわかる骨系統疾患とその周辺
各論
点状軟骨異形成症
八ツ賀 秀一
1,2
YATSUGA Shuichi
1,2
1函館五稜郭病院臨床遺伝科
2福岡大学小児科
pp.1654-1658
発行日 2024年12月10日
Published Date 2024/12/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001961
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概 要
点状軟骨異形性症(chondrodysplasia punctata:CDP)は,軟骨の異常な点状石灰化を示す放射線学的な所見である。これは内軟骨性骨形成過程における異常なカルシウム沈着により生じる1)。主に長管骨の骨端,脊柱,気管,肋骨端など,通常は石灰化しない軟骨領域にみられ,胎児超音波検査や新生児期および乳児期のX線検査でみつかる2)。軟骨が石灰化し始める生後1年以内には通常消失する1,2)。この点状軟骨という現象は,代謝異常症,ビタミンK代謝障害,染色体異常などさまざまな疾患でみられる。上顎顔面の低形成や鼻根部平底などが共通してみられるが,それぞれの疾患の重症度には大きな幅があり,周産期重症型から生命予後が一般と変わらないものまでがある1)。
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