特集 これならわかる骨系統疾患とその周辺
各論
2型コラーゲン異常症2:Kniest異形成症,Stickler異形成症,PLSD-Torrance
巷岡 祐子
1
TSUJIOKA Yuko
1
1慶應義塾大学医学部放射線科学教室
pp.1642-1645
発行日 2024年12月10日
Published Date 2024/12/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001958
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はじめに
2型コラーゲン異常症は細胞外基質の主要成分である2型コラーゲンをコードする遺伝子(COL2A1)の病的バリアントによる骨異形成症である。体幹,四肢ともに侵され,罹患者は最終的には体幹短縮型の低身長となる。環軸関節不安定性,胸椎後彎,変形性関節症,内反足などの骨関節異常を主症状とする。COL2A1遺伝子変異のバリアントの数は非常に多く表現型は多彩であるが,共通する臨床像および画像所見がある。臨床的には,顔面中央低形成,小顎,口蓋裂が共通症状である。また2型コラーゲンは硝子体や内耳の主要蛋白であり近視,難聴なども引き起こす。骨変化の観点からは,体幹や体幹に近い骨の骨化遅延で特徴づけられるspondyloepiphyseal dysplasia congenita(SEDC)グループ(前稿参照)と,管状骨のダンベル型変形で特徴づけられるKniest-Sticklerグループに分けることができる。前者の多くはミスセンス変異が原因であることが多いのに対して,Kniest骨異形成症はスプライシング異常によるエクソンスキッピング,Stickler骨異形成症は半量不全が原因であることが多い。顔貌異常と眼科的・耳鼻科的異常は両グループに共通する。
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