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特集 整形外科領域の希少疾患診療
進行性骨化性線維異形成症
-―診断と管理法,予後,治療薬開発等について―
Fibrodysplasia ossificans progressiva;diagnosis, management, and drug discovery
前川 裕継
1
,
戸口田 淳也
2
Hirotsugu MAEKAWA
1
,
Junya TOGUCHIDA
2
1京都大学医学部,整形外科
2京都大学iPS細胞研究所
キーワード:
Fibrodysplasia ossificans progressiva
,
Heterotopic ossification
,
Rapamycin
Keyword:
Fibrodysplasia ossificans progressiva
,
Heterotopic ossification
,
Rapamycin
pp.1091-1097
発行日 2021年8月1日
Published Date 2021/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001839
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要旨:進行性骨化性線維異形成症(fibrodysplasia ossificans progressiva;FOP)は,骨形成因子の受容体を規定するACVR1遺伝子の異常により,小児期より全身の線維性結合組織に進行性に異所性骨化が生じる遺伝性希少疾患である。現在有効な治療薬がないために,その予後の改善には早期診断と骨化を誘発する外傷や炎症などを抑制する管理が重要である。われわれはFOP患者由来iPS細胞を用いた研究から,変異ACVR1受容体にアクチビンAが結合し,mTOR複合体を介して異常な骨形成シグナルを伝達することにより骨化が開始されることを明らかにし,mTOR阻害薬を用いた臨床試験の実施に至った。FOPに対してほかにも新規治療薬の臨床試験が行われており,有効な治療法の確立が期待される。
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