特集 多胎児と家族への支援に取り組もう
多胎妊娠の基礎知識
注意すべき産科異常
米田 哲
1
YONEDA Satoshi
1
1富山大学附属病院産科婦人科
pp.1211-1214
発行日 2022年9月10日
Published Date 2022/9/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000306
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はじめに
産後に育児生活が新たに始まることは,これまでの生活が一変,激変する大きなturning pointである。大きな変化に適応するまでの苦労はなかなか筆舌し難いものと思われるが,双子,三つ子となれば,その変化はなおさらのことである。分娩後の育児生活の大変さを考慮すれば,多胎妊娠は,なるべく合併症なく,健康に出産していただきたいところであるものの,単胎妊娠と比較すると周産期リスクは高くなる。さらに,その産科異常に対して,予防方法に確立したものはない。診断がついてからの産科学的医療介入は限られているとはいえ,早期介入や適切な分娩時期の検討など,より良好な育児生活につなげるためにもわれわれ産科医ができることについて考えてみたい。
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