特集 多胎児と家族への支援に取り組もう
多胎妊娠の基礎知識
胎児発育
鈴木 俊治
1
SUZUKI Shunji
1
1日本医科大学産婦人科
pp.1215-1219
発行日 2022年9月10日
Published Date 2022/9/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000307
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はじめに
哺乳動物は多胎動物(イヌ,ネコなど)と単胎動物(ヒト,ウシ,ウマなど)とに分類され,両者間には卵巣の構造・機能から違いがあり,前者ではほぼ同時に複数個の排卵を認め,一卵性多胎の頻度が低い一方で,妊娠中に新たに妊娠する過剰受胎(superfetation,重複妊娠)などもまれではない頻度で起こりうる1)。一方,後者では成熟卵胞は1個であることが多いが,まれに2個以上の排卵が起こることもあり,また,1個の受精卵が分裂することによって発生する一卵性多胎の頻度もまれではない。しかし,子宮をはじめとした構造が単胎妊娠に適していることから,単胎妊娠と多胎妊娠で胎児発育に違いが生じうる。
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