特集 ちょっと気になる妊婦・胎児
母体編:分娩時
血算,CRPは異常ないが,37.5℃以上の発熱がある
津田 竜広
1
,
米田 哲
1
TSUDA Tatsuhiro
1
,
YONEDA Satoshi
1
1富山大学医学部産科婦人科学教室
pp.567-571
発行日 2025年5月10日
Published Date 2025/5/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002148
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
日常的に,陣痛発来時に発熱を認めることをしばしば経験する。発熱の原因には,母体の脱水や疲労,陣痛そのものによる炎症,硬膜外麻酔分娩に伴うもの,臨床的絨毛膜羊膜炎,あるいは細菌やウイルスなどの母体への感染などが考えられる。子宮内感染以外での母体感染であれば,通常血算・CRPに異常を認めることが多い。しかしながら,子宮内感染では血算・CRPの異常が反映されにくい場合があり,正常分娩過程における非感染性の発熱なのか,あるいは重篤な感染症が背景にあるのか,常に留意して診療にあたることが肝要である。

© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.