特集 知っておくべき周産期・新生児領域の遺伝学的検査を展望する
総論
新生児における網羅的遺伝子解析の意義と国内外の動向
武内 俊樹
1
TAKENOUCHI Toshiki
1
1慶應義塾大学医学部小児科学教室
pp.664-668
発行日 2022年5月10日
Published Date 2022/5/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000157
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はじめに
これまでの新生児医療は,緻密な呼吸栄養管理などを中心とするsupportive careが中心であった。ここ数年で,遺伝子治療や核酸医薬品をはじめとする新生児期発症の遺伝性疾患に対して病態に基づいた疾患特異的治療法が保険収載され,臨床で使用されるようになった。加えて,人工知能やコンピュータ処理能力の著しい進歩により全ゲノム解析の期間が短縮された。これにより,諸外国において重症新生児を対象とした網羅的遺伝子診断の臨床応用が広がりつつある。
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