特集 小児科医が知っておくべき筋疾患診療:遺伝学的理解と治療の最新事情
代表的筋疾患
【コラム】筋疾患における新生児期・乳児期早期の網羅的遺伝子解析
中藤 大輔
1
,
武内 俊樹
2
,
小﨑 健次郎
1
NAKATO Daisuke
1
,
TAKENOUCHI Toshiki
2
,
KOSAKI Kenjiro
1
1慶應義塾大学医学部臨床遺伝学センター
2慶應義塾大学医学部小児科学教室
pp.1962-1962
発行日 2023年12月1日
Published Date 2023/12/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001436
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筋緊張低下やそれに伴う経口摂取不良は,新生児期において非特異的であることから,これらの臨床所見のみで原因疾患を推定することは困難である。近年,特定の疾患に対する遺伝学的検査の普及により,一部の筋疾患では保険診療での遺伝学的検査を行うことにより確定診断も可能となってきている。一方で,それらの検査で確定診断を得ない場合は,筋生検など侵襲を伴う検査が考慮される。筋生検は診断に非常な有効な手法であるが,新生児期に行うことは難しく,また生理学的所見や画像所見によって筋生検部位を考慮する必要があり,さらに筋組織の採取や固定に経験を要することから,筋生検を行い診断に結びつけるには経験のある施設に限定される1)。
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