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特集 腎疾患治療薬 フロントライン
各論
第2章 慢性腎臓病・透析合併症
14.CKD-MBD治療薬:カルシミメティクス;シナカルセト塩酸塩(シナカルセト)
Cinacalcet
角田 隆俊
1
Kakuta Takatoshi
1
1(医)松和会望星平塚クリニック
キーワード:
二次性副甲状腺機能亢進症
,
PTH
,
VDRA
,
PTx
,
カルシミメティックス
Keyword:
二次性副甲状腺機能亢進症
,
PTH
,
VDRA
,
PTx
,
カルシミメティックス
pp.199-204
発行日 2025年11月15日
Published Date 2025/11/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000002132
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1 はじめに
慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)患者では,さまざまな骨病変,ミネラル代謝異常が出現する。この病態は骨生検の所見をもとに腎性骨異栄養症(renal osteodystrophy:ROD)として認識されてきた。この病態はCKD患者の血管石灰化と関係が深く,生命予後にかかわるものと考えられるようになってきた1)。KDIGO(Kidney Disease:Improving Global Outcomes)は「慢性腎臓病に伴う骨ミネラル代謝異常(CKD-mineral and bone disorder:CKD-MBD)」という全身性疾患としての概念を創出し,その管理も生命予後をアウトカムとして行われるようになった2)。この概念が創設されてから20年近く経過した2025年現在では,従来の「検査値異常・骨代謝異常・異所性石灰化」という枠組みから,「CKD関連骨粗鬆症」と「CKD関連心血管疾患」を中心とした新しい診療アプローチへの移行が提案されている。そのなかで二次性副甲状腺機能亢進症(secondary hyperparathyroidism:SHPT)は頻度も高く日常生活動作(activities of daily living:ADL)に影響を及ぼす中心的な疾患である。しかし,治療概念やアウトカムの変化に加えて病態そのものが変化してきた。カルシウム受容体作働薬(カルシミメティクス)としては第2世代に当たるが,臨床的には第1世代のカルシミメティクスであるシナカルセト塩酸塩(シナカルセト)はこの変化をもたらした大きな誘因である。

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