特集 Calcimimetics の新しい展開
4.シナカルセト塩酸塩の臨床エビデンス
駒場 大峰
1,2
1東海大学医学部内科学系腎内分泌代謝内科
2東海大学総合医学研究所
キーワード:
シナカルセト塩酸塩
,
二次性副甲状腺機能亢進症
,
副甲状腺摘出術
,
心血管合併症
,
骨折
Keyword:
シナカルセト塩酸塩
,
二次性副甲状腺機能亢進症
,
副甲状腺摘出術
,
心血管合併症
,
骨折
pp.273-279
発行日 2018年10月1日
Published Date 2018/10/1
DOI https://doi.org/10.19020/KB.0000000155
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シナカルセト塩酸塩は,世界で最初に実用化・市販化されたカルシウム受容体作動薬(calcimimetics)で,透析患者を対象に広く使用されている.シナカルセト塩酸塩の有効性は多くの臨床研究で実証され,従来では副甲状腺摘出術の適応となるような重度の症例でも一定の効果が得られることが示されている.また最近の臨床試験では,血管石灰化の進展を抑制するとともに,心血管合併症,骨折,死亡などの患者アウトカムのリスクも低減する可能性が示されている.近年,次世代のカルシウム受容体作動薬が登場し,シナカルセト塩酸塩のエビデンスに改めて大きな関心が向けられている.本稿では,これまでに行われたシナカルセト塩酸塩の臨床研究をレビューし,その効果や恩恵を概説するとともに,残された課題について考察する.
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