研究
血液透析患者に対するシナカルセト塩酸塩からエボカルセトへの切替えの検討
鈴木 徹
1
,
佐久間 芳文
,
藤島 幹彦
1三愛病院附属矢巾クリニック 泌尿器科
キーワード:
Calcium
,
血液透析
,
副甲状腺機能亢進症-続発性
,
副甲状腺ホルモン
,
腎不全-慢性
,
分散分析
,
薬物用量反応関係
,
リン酸塩
,
Cinacalcet
,
Evocalcet
Keyword:
Hyperparathyroidism, Secondary
,
Renal Dialysis
,
Cinacalcet
,
Kidney Failure, Chronic
,
Calcium
,
Phosphates
,
Parathyroid Hormone
,
Dose-Response Relationship, Drug
,
Analysis of Variance
,
Evocalcet
pp.303-306
発行日 2020年2月25日
Published Date 2020/2/25
DOI https://doi.org/10.24479/J00714.2020197053
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2018年5月~2019年1月にシナカルセト塩酸塩投与中であった血液透析患者32名を対象に、エボカルセトへ切替えることによる血清リン値、補正カルシウム値、インタクトPTH(iPTH)値に与える影響および有害事象について検討した。エボカルセトを24週間継続投与可能であった27名(男性17名、女性10名、平均61.07±12.02歳)を本研究の対象とした。血清リン値は切替え前5.63±1.09mg/dLであったが、切替え後の血清リン値には経時的に有意な変化を認めなかった。補正カルシウム値は切替え前9.00±0.38mg/dL、切替え4週目に9.37±0.32mg/dLと有意に上昇したが、8週目以降は低下し有意差を認めなかった。iPTH値は切替え前156.82±58.59pg/mL、切替え後4週目に203.93±72.41pg/mL、8週目に208.89±81.13pg/mLと有意に上昇したが、12週目以降は低下し有意差を認めなかった。低用量(25mg以下/日)のシナカルセト塩酸塩からエボカルセトへの切替えではiPTHに有意な変化を認めなかったが、高用量(37.5mg以上/日)のシナカルセト塩酸塩からエボカルセトへの切替えではiPTHが一過性に有意に上昇した後に低下していた。32名中1名(3%)で胸のつかえ感といった有害事象が生じたためエボカルセトを中止したが、その他に特記すべき有害事象はなく、高い忍容性が確認された。
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