Japanese
English
特集 CKD-MBD ―進歩と革新
リン,カルシウム,PTHの管理
リン低下薬の効果的な使い方と組み合わせ
The most effective usage and combination of phosphate-lowering drugs
谷口 正智
1
TANIGUCHI Masatomo
1
1福岡腎臓内科クリニック
キーワード:
リン低下薬
,
テナパノル
,
ネットワークメタ解析
Keyword:
リン低下薬
,
テナパノル
,
ネットワークメタ解析
pp.674-678
発行日 2025年5月25日
Published Date 2025/5/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001887
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
1992年,透析患者に対する水酸化アルミニウム製剤の投与が禁忌となって以降,高リン血症に対するリン吸着薬はカルシウム(Ca)製剤のみであった。その後,2003年にセベラマー塩酸塩が上市され,ビキサロマー,炭酸ランタン,クエン酸第二鉄,スクロオキシ水酸化鉄と,わが国では多様なリン吸着薬を使える状況となってきたが,わが国の透析患者全体としてみると,血清リン値は経年的にほとんど低下していないのが実状である1)。このような状況のなか,2024年に上市されたテナパノル塩酸塩(テナパノル)は,腸管上皮細胞の頂端膜に存在するNa+/H+交換輸送体(NHE3)を阻害することにより,タイトジャンクションにおけるリンの受動輸送を低下させ,腸管内からのリン吸収を阻害する薬剤である。従来のリン吸着薬と作用が異なることを考慮に入れ,2025年に予定されているわが国のCKD-MBDガイドライン改訂2)では,リン吸着薬とリン吸収阻害薬をあわせて,「リン低下薬」という呼称にすることが検討されている。

© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.