特集 IBD診療のdecision making ― 専門医の選択
2.潰瘍性大腸炎難治例の第一選択(1)インフリキシマブを推奨する立場から
北村 和哉
1
,
金子 周一
1
1金沢大学附属病院消化器内科
キーワード:
急性重症潰瘍性大腸炎
,
ネットワークメタ解析
,
抗薬物抗体
Keyword:
急性重症潰瘍性大腸炎
,
ネットワークメタ解析
,
抗薬物抗体
pp.131-135
発行日 2021年1月20日
Published Date 2021/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001664
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インフリキシマブは,ステロイド抵抗性およびステロイド依存性のいずれのタイプの潰瘍性大腸炎難治例に対しても効果が期待できる薬剤である.ネットワークメタ解析の結果からは,生物学的製剤ナイーブ患者において,他剤と比較してもっとも有効率の高い薬剤の一つであるため,潰瘍性大腸炎難治例の第一選択として推奨する.インフリキシマブ治療時の注意点としては,抗薬物抗体出現による効果減弱を回避するため,チオプリン製剤の併用を行う.また重症例では,投与したインフリキシマブが腸管内へ漏出し,治療効果が減弱することが報告されているため,慎重に治療効果を評価する必要がある.
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